重さ100キロもの石を持ち上げて力自慢を競う富山県入善町の奇祭「
参加のため初来日
オーストラリアの首都キャンベラの心理カウンセラー、ダニエル・ホワイトさん(36)は、SNSの動画にくぎ付けになった。巨大な石を持ち上げられるかどうか、日本人たちが競い合っている。「このクレイジーなイベントは一体何なんだ――」
興味津々で今年4月、投稿主にメッセージを送ると、大磐まつりについて知らされ、「自分もチャレンジしたい」と初来日を決めた。
動画の投稿主は「盤持ち石祭り界のレジェンド」こと、金沢市の会社員西野達也さん(39)だ。江戸時代から全国に伝わるとされる巨石を持ち上げる珍行事に興味を持ち、「そばつぶ」の名前で各地で石を担いでは動画を発信している。
2022年には小矢部市の棚田神明社で、住民の知らぬ間に参道脇に巨石六つを整然と並べ、「誰が運んだのか」と地域を騒然とさせ一躍、時の人となった。最近は海外からの反響も増えているといい、自身3度目の出場となる大磐まつりにダニエルさんを誘った。
戦国時代の伝説
大磐まつりの由来は、戦国時代に遡る。上杉謙信に攻められ境内に火が放たれたが、村人が神社にあった一対の神石を池に投げ込んだところ、不思議と火が消えたとの言い伝えがある。神石は引き上げられ、いつしか力試しの石になったらしい。