夏の高校野球地方大会は25日、2大会で決勝が行われ、聖光学院(福島)と開星(島根)が甲子園出場を決めた。昨夏の甲子園を制した京都国際(京都)や健大高崎(群馬)は決勝進出。今春の選抜大会出場校では、4強の浦和実(埼玉)が準決勝でサヨナラ負けし、16強の早稲田実(西東京)も準々決勝で姿を消した。
開星26―2松江南
猛攻を生んだのは開星の右打者の忠実な打撃だった。センターから逆方向へ打ち返すつなぎの打撃で27安打26得点の大勝を演出。8年ぶりの甲子園切符をつかんだ。
二回一死二、三塁で9番松浦が外角高めの直球を右中間へはじき返して2点を先制。その後も安打を重ねて先発投手を降板へ追い込むと、似たような攻め方をする2番手の右投手からも森優、松本七の右打者2人が右方向に適時打を放ち、一挙8点のビッグイニングを作った。
猛打の背景には主将の存在があった。控え投手でもある藤江は1年の頃から対戦相手の映像を見て特徴を整理し、選手に共有する役割を自ら買って出ている。今大会も登板機会は少ないが、相手投手の特徴を打者に伝えて決勝進出を下支えしてきた。決勝前にも外角に変化球を制球良く投げ込む松江南の先発右腕に対し、「引きつけて、引っ張らないように意識しよう」と指示。「主将を甲子園に連れて行きたい」(松浦)と、仲間も結果で応えた。
昨夏は県勢の大社が甲子園で8強入りし、注目を集めた。「大社に負けないような開星旋風を起こす」。野々村監督に続く「もう一人の監督」が力強く宣言した。(松本慎平)
開星(島根) 8年ぶり11度目
◇1988年創部。選抜は3度出場。夏は通算2勝。OBに阪神の糸原健斗、ロッテの山本大斗ら。私立。