夏の高校野球地方大会は25日、2大会で決勝が行われ、聖光学院(福島)と開星(島根)が甲子園出場を決めた。昨夏の甲子園を制した京都国際(京都)や健大高崎(群馬)は決勝進出。今春の選抜大会出場校では、4強の浦和実(埼玉)が準決勝でサヨナラ負けし、16強の早稲田実(西東京)も準々決勝で姿を消した。

健大高崎12―0東農大二(6回コールド)

 健大高崎の投手陣は大会前に一つの目標を立てた。「無失点で甲子園に行こう」。150キロ台の剛球右腕、石垣元や春の選抜で成長した技巧派左腕の下重らに加えて、左肘のトミー・ジョン手術から復帰した元エースの佐藤が加わり、層は厚くなった。

 準決勝で初めて先発した下重は「1点もやれないという重圧もあるけれど、だから力を出せる部分もある」と話す。先頭打者を出さないように集中し、得意球の落ちるツーシームで打ち取っていく。5回3安打無失点。投手陣の充実で、エース石垣元の登板はまだ1回のみ。この日は七回から登板する予定だったが、六回コールド勝ちとなったため、決勝へ持ち越しとなった。

 下重は「今大会に登板した6人全員タイプが違う投手で、誰が投げても安心して見ていられる。全国トップクラスの投手陣だと思う」と胸を張る。これで4試合29回無失点。群馬大会完封まで、あと1試合だ。(小石川弘幸)