【北京=東慶一郎】日中の有識者が両国協力について話し合う「日中友好人的・文化交流フォーラム」が27日、北京で開かれた。閣僚レベルで学術交流の拡充を議論した昨年末の「日中ハイレベル人的・文化交流対話」を踏まえたもので、参加者は高齢化社会や歴史など幅広いテーマを巡り意見交換した。

 フォーラムには日中双方から約50人が出席した。中国社会科学院日本研究所の楊伯江所長は、今年が戦後80年にあたると言及した上で「中日関係の健全な発展には歴史問題は避けては通れない」と述べ、日本側に戦争の歴史を直視するよう求めた。今回の参院選での参政党の躍進についても「戦前の日本を思い起こす」と懸念を示した。

 開幕式であいさつした金杉憲治・駐中国大使は、現在の日中関係で最大の課題は互いに否定的な国民感情だと指摘し、「交流と対話を重ね、相手の立場を互いに理解する地道な努力が必要だ」と訴えた。