都内での一人暮らしは家賃や生活費が高く、親としては心配になるものです。額面が「月給25万円」という収入で無理なく生活できるのかと不安を感じる方も少なくないでしょう。   そこで本記事では、月給25万円の手取り額の目安から、都内の家賃相場と生活費の内訳までを分かりやすく紹介します。

月給25万円の手取りはどれくらいになるのか?

一般財団法人労務行政研究所が2025年5月に公表した「2025年度 新入社員の初任給調査」によると、大学卒業の初任給水準は「25万5115円」とされています。初任給25万円であれば、水準に達しているといえるでしょう。
 
ただし、この金額は税金や社会保険料が差し引かれる前の「額面給与」であり、手取りとして手元に残る金額ではありません。一般的に、手取りは額面の70〜85%程度とされており、月給25万円だと手元に残るのは20万円前後になると見込まれます。
 

都内の賃貸マンションの家賃平均値は?

都内の家賃平均については、総務省の「令和5年住宅・土地統計調査」で確認できます。この調査によると、2023年10月時点で都内の家賃平均は「8万7118円」です。同調査で全国の平均値も公表されていますが、全国平均は「5万9656円」と示されており、都内の家賃平均の高さが分かるでしょう。
 
ただし、これはあくまでも東京都全域の平均値であり、住むエリアによって家賃相場には違いが見られるようです。
 
家賃の平均値が高いエリアは「港区:19万2620円」「千代田区:14万5377円」「中央区:14万1610円」で、10万円を大幅に上回っており、安いエリアは「武蔵村山市:4万7625円」「青梅市:5万538円」「福生市:5万1636円」で、全国平均値を下回っている地域もあります。
 
エリアによって家賃相場に違いが見られる理由は、交通アクセスや商業施設といった利便性の充実度、治安や住環境のよしあしが関係していると考えられます。
 

単身世帯の生活費の内訳と平均額【男女別】

単身世帯の生活費の内訳と平均額は、総務省が公表している2024年の「家計調査 家計収支編」で確認できます。単身、勤労者世帯の世帯主34歳以下の生活費の内訳を男女別でまとめると表1の通りです。
 
表1

生活費(消費支出)の内訳 男性 女性
食料 4万1039円 4万225円
住居 3万2279円 5万656円
光熱・水道 8837円 9236円
家具・家事用品 3769円 5609円
被服・履物 6537円 9412円
保健医療 5246円 1万2675円
交通・通信 1万6920円 2万672円
教養娯楽 1万8854円 3万1349円
そのほかの消費支出 1万7638円 3万128円
15万1119円 20万9962円

※e-Stat 政府統計の総合窓口「家計調査 / 家計収支編 単身世帯 詳細結果表」を参考に筆者作成
 
表1はあくまでも全国の平均値であり、都内に絞るとさらに高くなる可能性があるでしょう。都心の人気エリアに住むほど家賃が高くなる傾向にあるため、人によっては手取り20万円で生活することが厳しいケースもあるかもしれません。
 
お金の使い方によっては収入を上回ってしまう可能性もあるため、どのように節約していくかがポイントとなるでしょう。
 

まとめ

額面給与が25万円の場合、実際の手取り額は社会保険料や税金を差し引いて20万円前後になる可能性があります。額面給与が25万円でも、都内での一人暮らしは可能だと考えられますが、住むエリアなどによっては厳しいケースもあるでしょう。
 
特に、都心の人気エリアに行くほど家賃が高額になる傾向があるため、どこに住むかは慎重に検討することが大切です。利便性と家賃のバランスを見極めることが、無理のない生活の第一歩といえるでしょう。
 

出典

一般財団法人労務行政研究所 2025年度 新入社員の初任給調査
e-Stat 政府統計の総合窓口 住宅・土地統計調査 / 令和5年住宅・土地統計調査 / 住宅及び世帯に関する基本集計 全国・都道府県・市区町村
e-Stat 政府統計の総合窓口 家計調査 / 家計収支編 単身世帯 詳細結果表
 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー