バーキンさんが「(エルメスの)ケリーバッグより大きくて、スーツケースより小さいバッグを作ったらどう」と注文すると、「どんな感じ?」と聞かれたため、バーキンさんは機内にあったエチケット袋にスケッチしたという。

デュマさんはそのスケッチをもとにバッグを作り、バーキンさんに届けた。

バーキンさんは2020年のCNNのインタビューで、お金を払おうとすると、デュマさんは「贈り物なのでお金はいらない」と断り、このバッグに君の名前をつけて、販売させてくれないかとお願いされたと話している。

バーキンさんはこの依頼を快諾。こうして、エルメスのバーキンは1984年にデビューした。

オリジナル版だけの「唯一無二」の特徴

バーキンはその後、エルメスを代表するバッグの一つとなった。人気の高さからなかなか手に入らない人気のバッグとしても知られる。

その原型となるバーキンさんのために作られたハンドメイドの黒い革製オリジナルには、他とは異なる特徴があるという。

サザビーズによると、オリジナルにはバーキンさんのイニシャル「J.B.」が刻印されているほか、バーキンバッグで唯一、取り外しできないショルダーストラップが付いている。

さらに、このショルダーストラップには、爪切りが取り付けられているという。サザビーズは、「長いネイルよりも自然な見た目を好んだジェーン・バーキンは、移動中でも爪をきれいに整えておけるよう、バッグの内側のショルダーストラップの付け根に、チェーンで爪切りをぶら下げ、いつでも使えるようにしていた」と説明している。