バーキンさんはこのバッグを日常的に使い、物を入れるだけではなく「国境なき医師団」や「ユニセフ」などのステッカーを貼って、社会活動のメッセージを発信する場としても愛用したという。

【画像】ステッカーなどを貼ってバーキンを愛用するジェーン・バーキンさん

使い込まれた姿には、バーキンさんの人生が刻み込まれている。

バーキンさんはこのバッグを約10年使った後、1994年にフランスのエイズ関連の慈善団体に寄付するためにチャリティーオークションに出品した。

その後、このバッグは2000年に再び競売にかけられ、今回サザビーズで落札されるまでは個人が所有していた。

ただのバッグ以上の存在

サザビーズは、オリジナルのバーキンについて「ただのバッグ以上の存在」と評している。

「バーキンは実用的なアクセサリーから、時代を超えた文化的アイコンへと進化し、その存在は音楽、映画、テレビ、芸術の世界に広がっています」

サザビーズのハンドバッグとファッション部門責任者のモルガーヌ・アリミ氏も「オリジナルのバーキンバッグが唯一無二の存在であることは間違いありません。ファッションの歴史における特別な作品が、洗練された形でラグジュアリーを伝えるポップカルチャー現象へと成長しました」とコメントしている。

バリュエンスジャパン株式会社は「今回の落札は、販売を目的としたものではなく、世界的な文化遺産を保有・保全し、社会に広く公開していくという社会的な意義を持つ選択だと考えています」とリリースで述べている。