F1ベルギーGPの予選でレッドブルの角田裕毅は、5月のマイアミGP以来のQ3進出。チームメイトで4度の世界チャンピオンであるマックス・フェルスタッペンから0.381秒差の7番手タイムを記録した。

 シーズン前半戦は厳しい戦いを強いられた角田だったが、この予選からフェルスタッペンとほぼ同じ仕様のアップデートが投入されると、依然として最新パッケージではないものの、グリップが向上したマシンを武器に、Q3に進出した中では最もチームメイトに接近することができた。

 しかし角田は、様々な条件を加味すると、これまでも「それほどタイム差は大きくなかった」と考えている。

 角田がレッドブルに昇格した第3戦日本GPから第13戦ベルギーGPまでの予選タイムをフェルスタッペンと比較してみると、大きな流れが見えてくる。条件をある程度整えるため、角田が予選全体を終えたセッション時点でのフェルスタッペンのタイムを比較した。

 角田はレッドブルに昇格した当初、予選Q3でラップをまとめ上げることが課題のひとつとされ、セッションが進む中で、多くの引き出しを持つフェルスタッペンから離されていく傾向にあった。

 そしてエミリア・ロマーニャGPの予選Q1でクラッシュを喫して以降、スペアパーツ不足の問題で角田は旧型パッケージでの戦いを強いられ、フェルスタッペンが”本気のアタック”をしていないQ1やQ2でも0.4〜0.5秒のタイム差をつけられた。