熊本市南区の肥後花市場で毎月第3土曜日に開かれているフラワーアレンジメント教室が人気だ。手頃な価格で楽しめ、リピーターもいる。新型コロナウイルス禍で落ち込んだ花の需要回復を後押ししている。

 6月下旬の土曜日。お年寄りや子どもが、集中した表情でヒマワリやバラを鉢に挿していた。初めて体験したという大津町の大学生、中野寧々さん(18)は「家に飾りたい」とほほ笑んだ。

 肥後花市場が毎月開く「月イチHIGO花マルシェ」の目玉イベント。コロナ禍の2021年12月、消費者に花に触れてもらおうと始めた。

 現在の参加費は500円。農林水産省の補助金を使って相場よりも抑えている。定員の19人を上回る申し込みがあり、抽選している。これまでに41回あり、リピーターを含め延べ約900人が参加した。アンケートでは「1カ月以内に花を買った」「家でもアレンジを作ってみた」といった声が寄せられている。

 講師を務める熊本市の花卸売会社アースネットの江藤公俊さん(57)は「毎回アレンジを変え、花の特徴や長持ちさせる方法も伝えている。初めての人にも体験してほしい」と呼びかける。

 総務省の23年家計調査によると、熊本市の2人以上の世帯が切り花に支出した金額は年間平均5531円。22年に比べると増えたが、コロナ禍前の19年の6132円には届いていない。

 7月のマルシェは19日午前10時から開かれる。肥後花市場の一宮琴絵さん(52)は「花を身近に感じてもらい、消費回復につなげたい」と意気込む。教室は数回に分けてあり、参加は当日に会場で受け付ける。(江﨑萌)