トランプ米大統領は25日、欧州連合(EU)との関税交渉の合意見通しについて「五分五分」と述べた。トランプ氏は27日に、訪問先のスコットランドでフォンデアライエン欧州委員長と会談し、トップ同士で直接交渉する予定。

 大統領専用機でスコットランドに到着直後、EUとの合意の可能性について記者団に「我々には五分五分の可能性がある」と答えた。解決すべき争点については「20くらいある」と述べた。複数の欧米メディアは、EUは日本と同じ15%の関税率で合意する可能性が高いと報じている。

 一方、トランプ氏は25日、英国のスターマー首相と会談する予定を明らかにした。英国は25%の鉄鋼・アルミニウム関税をゼロにするよう求めているが、トランプ氏は「(英国との)貿易交渉は終わった」として、交渉に応じない可能性を示唆した。

 トランプ氏はEUに対し、関税交渉で合意できなければ8月1日以降、「相互関税」の関税率を30%にすると通知している。英国とは6月中旬の首脳会談で原則10%の関税率で最終合意したが、鉄鋼・アルミ関税の扱いが定まっていない。【ワシントン大久保渉】