日本造船業の反転攻勢
日本の造船業は、長年にわたり高い技術力と信頼性で世界に名を馳せてきた。しかし1990年代以降、中国や韓国の巨大造船所が台頭し、受注競争が激化。建造量シェアで日本は第3位に後退した。
こうしたなか、国内最大手の今治造船と第2位のジャパンマリンユナイテッド(JMU)が、統合に向けて大きく動いた。両社は2025年6月26日、今治造船がJMUの株式を追加取得し、議決権比率を30%から60%へ引き上げたことで、JMUは実質的に子会社となった。
かつて日本は、世界の造船業をリードしていた。1956(昭和31)年には世界一の建造量シェアを記録し、1970〜1980年代にはその割合が約5割に達した。技術と生産効率の高さで、日本の造船業は圧倒的な存在感を示していた。
しかし1980年代以降、韓国が新たな大型造船所を相次いで建設。さらに2000年代には中国が急速にシェアを伸ばし、日本は徐々に後退。特に2000年代後半からは両国の物量と価格競争に押され、日本の建造量シェアは現在10%台にとどまっている。
今回の子会社化は、日本の造船業が再び世界市場に挑むための転換点となる可能性を秘めている。

今治造船とJMUの統合戦略
今治造船は愛媛県今治市に本社を置く、日本最大の造船会社である。1901(明治34)年の創業以来、3000隻以上の船舶を建造してきた老舗企業だ。ばら積み船、コンテナ船、タンカーなど多様な船種の建造に強みを持つ。