防衛省は9日、本年度2回目の補助金配分を公表した。佐賀市高木瀬町の市清掃工場の改修工事が補助対象となり、本年度の工事費約600万円のうち、3分の2に当たる400万円が補助される。佐賀駐屯地の開設に伴う補助金で、佐賀市への適用は2例目。
市によると、施設の老朽化を受けて市清掃工場の改修工事を計画。工事完成の2028年度までの総事業費は約130億円で、防衛省の補助事業の採択を受け、3分の2に当たる約88億円の補助を見込む。
同省の補助は「防衛施設周辺の生活環境の整備等に関する法律」(環境整備法)に基づき、市町村などの事業が対象。生活環境に影響を与える防衛施設と周辺地域の調和を図ることを目的に、自治体のごみ処理施設や公園、漁業農業施設の整備費の一部を負担する。
佐賀市駐屯地対策室の川崎浩室長は、今回の補助金を市清掃工場に充てた理由について「駐屯地の設置に伴い、当地から排出されるごみを処理する必要があることから、ごみを継続的かつ安定的に受け入れるため」と説明する。
同市では4月、駐屯地近くの戸ケ里漁港(同市川副町)の舗装整備事業に1400万円の補助が決まり、防衛省の補助金が適用される初の事例となった。坂井英隆市長は補助金の活用について「いろいろな自治体の例もあると思う。事例を研究していきたい」との考えを示していた。
(竹中謙輔)