東海道や甲州街道など五街道の起点となっている日本橋(東京都中央区)で27日、夏の風物詩「名橋『日本橋』橋洗い」が行われ、地元の小学生や企業の社員ら約1800人がブラシを使って橋の汚れを落とした。

日本橋の美化保存を目的として始まった恒例行事は今年で53回目。散水車3台が水をまいた後、参加者が一斉にデッキブラシを使い1年間たまった汚れを落とした。頭上の首都高の高架橋につけられた銘板は参加者がはしご車にのぼりブラシを使って磨いた後、消防隊員らによってホースで洗浄された。

日本橋を良い状態で後世に伝えたいと1968(昭和43)年に発足した「名橋『日本橋』保存会」で会長を務める中村胤夫さんは、「これだけ多くの人が集まってくれた。日本橋の誇りです」と話した。

地元・中央区の城東小学校から参加した小学1年生の滝口求子さんは「暑くて大変だったけど、ゴシゴシしたら泡が出て楽しかった」と笑顔で話した。

日本橋の上部に架かる首都高速道路の高架は、構造物の老朽化や環境改善のため2040年度をめどに地下へと移行する工事が始まっている。(写真・文 相川直輝)