バスケットボールのBリーグ界で子供たちに向けた活動を個人で企画した選手がいる。アルバルク東京(A東京)の大倉颯太(26)だ。選手自らが発起人となり、将来の日本バスケットボール界を担う小中学生を指導した思いとは――。

 大倉は21日、故郷・石川県への思いを胸に同県かほく市総合体育館で小中学生を対象としたバスケットボールクリニック「KOA BASKETBALL ACADEMY SUMMER CAMP IN ISHIKAWA」を開催した。「バスケットボールを通じて子どもたちに夢や希望を与えたい」。自身が生まれ育った石川県への恩返しとして、石川県のバスケットボールのレベルを少しでも上げるために自ら企画。昨年は能登と金沢を舞台にサマーキャンプ形式で地元の小中学生を無料で招待して開催しており、今回で3年連続3度目の開催となった。

 現役Bリーグ選手と直接触れ合える貴重な機会とあって、イベントは大人気だ。抽選で選ばれた約120人の小中学生が参加。ドリブルやパス、シュートなどの基本スキルを中心に指導しながら約2時間、子供たちと交流した。

 大倉は東海大学在学中から千葉ジェッツに特別指定選手として加入し、プロとしてのキャリアをスタート。千葉ジェッツでは、Bリーグ優勝や天皇杯制覇、東アジアスーパーリーグ(EASL)優勝など、数々のタイトル獲得に貢献し、オールスター戦に選出された実績を誇る。

 そんな大倉が自ら発起人となったのが「KOA BASKETBALL ACADEMY」。きっかけは最高の指導環境を整え、将来性豊かな子供たちの才能をいち早く開花させたいという思いだ。23年7月に東京都と埼玉県で活動をスタートさせた。

 今回の活動を終え「子供たちと触れ合う機会がつくれて良かった。石川県はバスケットボールのレベルが高く、将来石川県の子どもたちがバスケットボール界を引っ張っていってほしいと思っている。今回のクリニックを通して、何か学びや気づきがあったらうれしい」と語った大倉。将来を担う子供たちへ、今後も夢や希望を与えつつ、バスケットボールの素晴らしさを伝えていく。