東海道・山陽・九州新幹線、西九州新幹線では、大きな荷物の持ち込みに対応したスペースが、最大2種類用意されています。
4つの新幹線すべてで用意されているのが、「特大荷物スペース」。最後列座席の後ろの部分にできるスペースを、荷物置き場として活用しています。対応サイズは、3辺合計250センチ以内。一部指定席(グリーン車含む)車両の最後列座席を「特大荷物スペースつき座席」としており、この座席を予約した人のみが、スペースを利用できます。
特大荷物スペースつき座席は、予約に追加料金は必要ありませんが、事前の予約が必須です。予約は、駅の券売機などのほか、JR東海、JR西日本、JR九州の各社が提供するネット予約サービスでも可能です。なお、物理的には自由席の最後列座席後ろにも特大荷物を置くことは可能ですが、この部分は特大荷物スペースとしては開放されていません。JRでは、「自由席や一部の指定席号車に『特大荷物』をお持ち込みいただくことはできません」と呼び掛けています。
東海道・山陽新幹線の「のぞみ」と一部「ひかり」「こだま」で使われている16両編成の車両には、「特大荷物コーナー」も設置されています。名前が似ているこちらの設備は、デッキにある荷物収納スペース。上下2段が設置されており、上段は3辺の長さがそれぞれ80センチ以内×60センチ以内×50センチ以内、下段は同じく80センチ以内×60センチ以内×40センチ以内の荷物収納に対応しています。
特大荷物コーナーも、本来は「特大荷物コーナーつき座席」の予約が必要です。ただし、JR東海とJR西日本では、昨今の観光などによる利用者増加にともなって、デッキ部の特大荷物コーナーを予約不要で利用できるスペースとする試行に踏み切っています。期間は、7月1日から当面の間。この間、同コーナーは予約不要で利用できますが、試行期間中はこの場所へ特大荷物を収納することはできなくなります。
ここまで何度も登場した特大荷物とは、縦・横・高さの3辺合計が160センチを超え250センチ以内の大きな荷物を指します。具体的には、主に海外旅行時に使われるサイズの荷物で、航空会社によっては、預入手荷物とする場合にも超過料金が必要となる寸法です。なお、東海道・山陽新幹線では、160センチ以内、航空会社では無料で預入が可能なサイズ(会社によって異なります)の荷物であれば、客席上の荷棚に収納可能な設計となっています。
ちなみに、特大荷物の収納場所を予約せず、車内に特大荷物を持ち込んだ場合には、手数料として1000円が徴収されてしまいます。なお、3辺合計で160センチを超える荷物であっても、スポーツ用品(スキー板など)、楽器(コントラバスなど)、車いす、ベビーカーなどについては、そのサイズにかかわらず、事前の予約は不要(ただし特大荷物スペース利用は予約必須)です。