放送作家・脚本家の小山薫堂とフリーアナウンサーの宇賀なつみがパーソナリティをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「日本郵便 SUNDAY’S POST」(毎週日曜15:00〜15:50)。7月20日(日)の放送は、土壌学者の藤井一至(ふじい・かずみち)さんをゲストに迎えて、お届けしました。


(左から)パーソナリティの小山薫堂、藤井一至さん、宇賀なつみ



◆生物の営みがなければ土は作れない?

1981年、富山県立山町生まれの藤井さんは、現在「福島国際研究教育機構」で土壌ホメオスタシス研究ユニットのリーダーを務めています。スコップ片手に国内外を飛び回り、土の多様性と可能性を探求している藤井さん。その原点には、ジブリ映画の影響がありました。

藤井さんは「『風の谷のナウシカ』や『天空の城ラピュタ』では、どちらも土がたくさん出てくるんですよね」と話します。「汚れているのは土なんです」「土から離れては生きられないのよ」といった、キャラクターたちのセリフに深く共感し、土に興味を持ったといいます。幼少期は岩石に興味があり、岩の延長線で土を研究できると考えていたそうですが、「岩と土はまったく別物だったので、ほとんどゼロから学んでいきました」と明かします。

そもそも、土と砂の違いは何でしょうか? 藤井さんに土の定義を伺いました。「もともと岩石があって、岩石が土になる瞬間が何かというと、岩石が細かく砕けて、砂とかさらにそれが細かくなって粘土になったりして。ただそれだけじゃなくて、そこに植物の根っこや微生物か何かが付着し、生き物の活動が始まった瞬間に土になります」と、藤井さんは説明します。