2025/06/29 10:50 ウェザーニュース
この1週間に国内で観測された有感地震の回数は、前週に比べると非常に多い水準となっています。大半がトカラ列島近海の群発地震です。震度3以上の地震は25回発生し、そのうち22回はトカラ列島近海を震源とする地震でした。(6月23日〜6月29日10時の集計)
国内:茨城県沖でM4.2 最大震度は4

25日(水)13時51分頃、茨城県沖を震源とするマグニチュード4.2、深さ54kmと推定される地震が発生しました。この地震で茨城県東海村で最大震度4、水戸市、日立市、常陸太田市、笠間市、ひたちなか市、土浦市などで震度3を観測しています。
地震のメカニズムは西北西ー東南東方向に圧力軸を持つ逆断層型と解析されています。関東で震度4以上を観測する地震は今年初めてで、昨年12月17日の茨城県南部の地震以来です。
茨城県沖の深さ50km前後の領域は、太平洋プレートが陸のプレートに沈み込んでいる境界に近く、地震が頻繁に発生しています。震度4以上の地震は平均で1年に数回程度あり、最近では2020年11月にマグニチュード5.7、最大震度5弱の地震が起きました。
国内:トカラ列島近海の地震は500回以上に

トカラ列島近海では21日(土)から群発地震が始まりました。ピークとなった23日(月)には有感地震が183回発生。21日(土)から29日(日)10時までの累計では、速報値で539回に達しています。近年の群発地震の中では有感地震の回数が最も多くなりました。
一連の地震で最も規模が大きいのは22日(日)の17時15分と24日(火)16時04分に発生したマグニチュード5.1です。2023年の活動では最大がマグニチュード5.1、2021年の活動ではマグニチュード6.1でした。
回数は多い一方で、規模に関しては過去の活動と大きくは変わりません。
24日(火)以降は有感地震の回数が徐々に減少していて、活動全体としては落ち着く方向に向かっているとみられます。ただ、その中でも震度3以上の揺れを伴うような地震はまだ発生していますので、もうしばらくは注意が必要です。