【ロンドン=中西梓、ワシントン=田中宏幸】欧州連合(EU)の執行機関・欧州委員会のフォンデアライエン委員長は25日、米国のトランプ大統領と27日に英北部スコットランドで会談すると明らかにした。貿易交渉の最終合意に向けた首脳協議を行う。米国の関税措置を巡ってすでに合意した日本に続き、主要な貿易相手との交渉が決着するかが焦点となる。

 フォンデアライエン氏は25日、X(旧ツイッター)に「トランプ大統領と電話会談し、27日にスコットランドで貿易協議を行うことで合意した」と投稿した。

 トランプ氏は25日、スコットランドに到着した。29日まで現地に滞在し、フォンデアライエン氏のほかスターマー英首相らとの会談も予定している。

 トランプ氏は訪英に先立ち、記者団に「EUとの合意が成立する可能性は五分五分だと思う。彼らはこの貿易協定を締結したいと考えている」と述べた。交渉状況について「非常に真剣に取り組んでいる」とも語った。

 英紙フィナンシャル・タイムズなど欧米メディアは、米国がEUに対する「相互関税」の税率を15%とする案で最終合意に近づいていると報じた。輸入車への関税も15%とするなど、日本と似た条件で決着する可能性が出ている。

 トランプ氏は7月12日、EUに対する関税率を8月1日から30%に引き上げる方針を示した。EUは交渉が不調に終わった場合に備え、計930億ユーロ(約16兆円)相当の報復関税発動を準備している。