関西電力が福井県の美浜原発で原発の建て替えのための地質調査を再開する方針を正式に発表したことを受け、株主である大阪市の横山英幸市長は22日、報道陣に対し、「まずは使用済み核燃料の処分の在り方を明確に提示してほしい」との見解を改めて示しました。
■「後継機設置の可能性有無の検討のため」関電が正式発表

関西電力は、福井県美浜町の美浜原発で老朽化が進んでいる1号機の建て替えに向けた地質調査を2010年から行っていましたが、2011年に起きた東京電力の福島第一原発の事故を受けて中断。現在は、1976年に運転を開始した3号機のみが稼働していて、1号機と2号機は2015年に廃炉が決まっています。
関西電力は22日に会見を開き、「(東日本大震災以降にできた)新規制基準への適合性の観点から、地形や地質等の特性を把握し、後継機設置の可能性有無について検討するため」として、地質調査を再開することを正式に発表。地元自治体である福井県や美浜町にも説明を行いました。
■横山市長「処分の確立なしに次の手に移るのを是としない」と見解
大阪市は関西電力の約6%の株式を保有する大株主で、これまでも「脱原発」などに関する株主提案などを行っていました。
横山市長は22日、記者団に対し、「今はあくまで新設に向けた検討の調査を開始する段階だと思うが、まずは使用済み核燃料をどうするのか、ビジョンを可能な限り早く示してほしいというのが大阪市の意見。処分やリサイクルの在り方を確立することなしに、次の手に移るという行為を我々が是とすることはかなわない」と語りました。