漁業者らが船上から海水を掛け合い、豊漁や海上安全を願う奇祭「潮かけ祭り」が25日、志摩市志摩町の和具漁港で開かれた。

 祭りは800年の歴史を持ち、海の安全を守る女神が港近くの神社から約3キロ沖合の無人島「大島」のほこらに里帰りするのを祝う。海水の掛け合いには身を清める意味があり、浴びると健康などの御利益があるとされている。

 この日は、地元漁師や奉賛会員らを乗せた20隻ほどの船が次々と出港。大島近くの沖合で神事を執り行った後、漁港に戻り、ホースやバケツで海水を勢いよく掛け合っていた。

 奉賛会の福田和義会長(77)は「最高の天気だった。後継者不足が課題だが、今後も若い人に祭りを継いでいってもらいたい」と話した。 (大高千奈、森研人)