飛行機のエチケット袋に描かれたスケッチから生まれ、世界中の人が憧れるバッグになったエルメスの「バーキン」。
2023年に亡くなったイギリス出身の俳優ジェーン・バーキンさんが実際に使っていたオリジナルの「バーキン」が、7月10日にフランス・パリで開催されたサザビーズのオークションで約1010万ドル(約14.7億円)で落札された。
落札したのは、ブランド品や骨董、美術品のリユース事業を手掛ける日本の会社バリュエンスジャパンだ。
AP通信によると、今回の落札額は、映画『オズの魔法使い』でジュディ・ガーランドさんが着用した赤い靴(2024年に3250万ドルで落札)に続き、ファッションアイテムとしては史上2番目の高額になる。

「バーキン」とは?
バーキンは、俳優や歌手、社会活動家、ファッションアイコンとして知られたジェーン・バーキンさんのためにエルメスが作ったバッグだ。
ファッション史に残るこのバッグは、1980年代にバーキンさんがパリからロンドンに向かう飛行機で当時エルメスの社長だったジャン=ルイ・デュマさんと隣同士になったことがきっかけで生まれた。
バーキンさんはこの時、機内でバッグをひっくり返して中身を床にぶちまけてしまった、と2012年のテレグラムのインタビューで明かしている。
それを見たデュマさんが「ポケット付きのバッグを使ったらいい」とアドバイス。バーキンさんが、「エルメスがポケット付きのバッグを作るようになったらそれを持つ」と返事をしたところ、デュマさんが「エルメスで働いているので、君のためにポケットをつけてあげましょう」と申し出た、と振り返っている。